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東洋医学の養生〜春〜


こんにちは、経絡リンパマッサージ協会の星野です。

今回は、「東洋医学の養生~春~」として、東洋医学で考える春のメカニズムをご紹介させて頂きます。

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〜血行不良や体調不良をおこしやすい季節〜

人の体は、日ごとに気温が高まっていくと同時に、やる気や元気のもととなる「陽(よう)の気」が盛んになってきます。陽の気は、呼吸を通して体内に入り、体の機能をコントロールする働きがあります。人間は陽の気が高まると活動的になります。この時期、なぜが心がワクワク弾んだり、戸外に出て春の日差しを浴びたくなったりするのはそのためです。

東洋医学の五行説の考えでは、春は「風」と関わりがあります。風の影響は一年中起こるのですが、とくに強く現れるのがこの時期です。風による体調の変化として、カゼや気管支炎などにかかりやすくなります。このように、体調の変化がめまぐるしいのが春の症状の特徴です。

もうひとつ、気をつけなければならないことは、窓から入る風や、エアコンなどの空調設備から吹き出す「風」です。これらに直接あたると風邪(ふうじゃ)となって体に入り、カゼや、体の痛み、しびれの原因となることがあります。

このようなことから、春は風の影響を受けないような体調管理が最大の課題です。対応法として、徐々に薄着にしながら温度差に対応できるように、ジャケットやカーディガンなどで調節するようにしましょう。

〜肝の働きの乱れから、血行不良のトラブルが増える〜

五行説で春に対応する五臓は「肝」です。肝は、思考力や判断力、計画性などで生命活動を円滑にする働きをもっています。肝の機能が低下すると、イライラしたり、怒りっぽくなったりすることがあります。これは、肝が病気の内因の一つになる「怒」にも対応しているからです。また「血」をたくわえ、血液の量を調整する働きもあります。陽の気が高まる春は、肝の気も旺盛になり、体調の変化が生じやすくなります。高血圧やめまい、のぼせなどもその一例です。さらに、目に見えない生命エネルギーである気の流れを円滑にし、スムーズにしています。

〜代謝が高まり、エネルギー消費量が増える時期〜

春の体は、血や気の流れが活発になり、新陳代謝が促進されます。冬の寒い時期を乗り越えるために、これまで蓄えられていたエネルギーが春になって一気に消費されるようになります。このことから、春は新陳代謝が高まり、エネルギーの消費量が増え、デトックス効果も活発化する時期と言えます。よって、ダイエットをスタートするには最適の季節となります。また、元気な人にとっては、エネルギーに満ちあふれているように感じられる季節とも言えるでしょう。

「それでは、どのように養生すれば良いのでしょうか?」

〜自然の恵と五つの味覚をバランスよくとる〜

昔から三月六日頃を堺に動植物が活動を始めるとされ、人は農作業を開始する目安にしてきました。春は肝の「血」を補う「酸」の食材がよいとされています。

注)ただし、「酸っぱい」ものをとりすぎると、脾や胃に悪影響を及ぼしてしまいます。そこで、甘い食材を適度にとって補いつつ、発散させる辛いものや、また冬の間にため込んだ老廃物を排泄する働きがある苦い食材も摂ったりすることにより、バランスをとりましょう。

下記の食材は、春に有効とされている食材です。

■山菜類 【菜の花、ふきのとう、たけのこ】

■柑橘類 【伊予柑(いよかん)、すもも】

■魚介類 【鰆(さわら)、はまぐり】

季節の旬な食材は、肝の働きを整えてくれます。

春は生活のリズムを整えて臓器の機能を落ち着かせ、精神の安定を図るような体作りを心掛けましょう。

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いかがだったでしょうか?

次回は、春の時期にどのようにケアをすると良いのかを、「春の経絡リンパマッサージ・セルフケア」実践編をお伝えします。

それでは、次回をお楽しみに。